--> やまんばたちの里 矢上
2015/03/2

矢上の昔話3~落子~

ご無沙汰してました。

さて、今回のお話もまたまた山姥様にちなんだお話です。

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原山に住む山姥様は大変優しい妖怪であったことは前回ま

ででお話していましたが実をいうと山姥様は神様の一種だ

ったという伝説もあるのです。その名を矢上姫命といい三

瓶の佐売姫(さうりひめ)や厳島神社の厳姫(いつくひめ)

と同じ女性の神様であるというのです。ある日のこと、そ

の三人でこれからの人々の生活をどうしたら豊かにしてあ

げられるかという女子会 をしていました。夕方になり原

山に帰ろうとした帰り道の途中で、きれいな水の湧く池の

前を通りかかりました。そこで山姥様は背負っていた子供

をそばにある大きな石の上に下ろし手を洗おうとしました。

するとにゅるにゅるにゅるにゅるとたくさんのヒルが山姥

様の血を吸おうと寄ってきたのです。山姥様はこんなにた

くさんのヒルがいては農民が困ると思い、そのヒルの親分を

捕まえて口をひねりあげ、二度と人間の血を吸うのではな

いと懲らしめられたそうです。それからはその池のヒルは

二度と人の血を吸わなくなって農民たちは大変喜んだそう

だ。そしてこの池のあるあたりを『落子』と呼ぶようにな

り今でもその地名と池が残っているそうです。

 

 

落子

そう!クリークの前にあるあの祠です!赤い瓦の!!

みんな気になってたでしょ??

 

 

Posted by チームやまんば/グループ1
2015/02/9

矢上の昔話2~山姥のしゃもじ~

今回も山姥様に関係のあるお話です.矢

上では毎年7月(本来は旧暦6月17

日。現在、第3土曜日)に火舟祭りと

いう祭りを執り行っています。これの

起源は宮島の官舷祭にあり、官舷祭と

同じ日にちに行われています。実はも

うひとつ繋がりがあるのです。宮島の

おみやげといったらなんだと思います?

屋台によく置いてありますよね?正解

は『しゃもじ』です。どんな繋がりか

というと・・・昔々 小掛谷の奥にあ

る大石という家に『山姥のしゃもじ』

というものがあったそうだ。なんでも

米粒を3つほど入れた釜をこのしゃも

じで混ぜると、みるみるうちに釜いっ

ぱいにご飯が増えると言われていたそ

うで、ある時旅人がこの話を聞きつけ

「そんなバカな事があるか、わしが確

かめてやる」と一晩大石家に泊まるこ

とにしたそうだ。まずは手始めに自分

の持っているしゃもじで3粒だけご飯

粒を入れた釜をかき混ぜてみた。・・・

何も起こらない・・・次にその山姥の

しゃもじでかき混ぜてみた。すると混

ぜれば混ぜるほどご飯が増えていきあっ

という間に釜いっぱいになっていた。

旅人はとても驚き、「こんなもん見た

ことない、神のしゃもじだ」と言いそ

の噂がたちまち広がり一躍有名となっ

た。そしてこんなものをここに置いて

おくのは罰当たりだということになり

宮島神社へ納めることとなったそうで

す。今でもそのしゃもじは宮島の奥の

奥のほうに収められているそうです。

こんな繋がりが石見町と宮島にはあっ

たという昔話でした。

やまんば肖像画

宮島神社所蔵 山姥図

 

 

Posted by チームやまんば/グループ1
2015/02/2

矢上の昔話1~原山の山姥~

山姥(やまんば)といえばふつう恐ろ

しい形相をした老婆で人間に害を与える

畏敬のものと想像しますが、ここ石見町

原山にいる山姥は心の優しい妖怪として

古くから民衆に親しまれています。

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皆さんも一度はこんな昔話を耳にされた

ことがあるかと思います。それは昔々原

山の麓 小掛谷のもっと奥、大石という

家でみんなで田植えをしている時の事

でした。みんなで精を出して田植えをし

て、やれ昼食時になった時、なぜかいつ

も1人分の飯が余ったそうだ。準備をす

るものも毎回田に入っているものの数を

数えて用意するのだが何故か1人分余る。

不思議だなとみんなで悩んだそうだ。そ

して誰言うとなく「そりゃ山姥さんの仕

業だろう」と言い合ったそうだ。その頃

から毎年春には山姥様が山から下りてき

ては田植えを手伝ってくれるようになり、

みんな山姥様と親しんで呼ぶようになっ

たそうだ。~おしまい~

今でも原山の中腹には山姥の住んでいる

洞窟がひっそりとあります。ぜひ一度足

を運んでみてはいかがでしょう。

Posted by チームやまんば/グループ1